最近、武者小路実篤の「友情」を読み始めました。

最近、武者小路実篤の「友情」を読み始めました。

先日から、ちょっとどろどろした恋愛小説を読みたいと思い、最近の作品ではなく武者小路実篤の「友情」を読み始めました。主人公の野島という男性が友達の妹の杉子に惹かれるという話なのですが、杉子は野島の親友の大宮のことが好きという三角関係の話です。

主人公野島の杉子に対する思いがものすごく重くてねちっこく、昔はこれを純愛と言ったのかもしれませんが、今でいうと思考的には完全にストーカーだと思いました。
「杉子と出会わせてくれた運命よ、その責任を取って私と杉子を結婚させたまえ」というようなことばかり始終考えていて、野島は怖いと思いました。

しかし、野島は杉子に「生理的に受け付けない」と思われていて、実際は自分の思い人の大宮の親友だから仕方なくお友達として体裁よく接していただけと知り、やっぱりしつこい人は今も昔も好かれないのだと痛感しました。野島の間抜けな熱心さの空振りも、かわいそうではありますが、あまりのナルシストの勘違いに、今でいうところの持てると勘違いしているお笑い芸人のように思え、若干微笑ましくもあります。

大宮は野島を立てて杉子を突っぱねますが、内心は杉子のことが好きだったので、最後は杉子の気持ちを受け入れ結婚します。その時に、大宮が杉子と自分の書簡を同人誌にしたものを野島に見せて謝るのですが、これは今でいうと、まるでLINEのやり取りをスクリーンショットして、故意のライバルに見せて諦めさせる手法のようで、若干残酷なように思いました。
古い小説ですが今に共通する心理・行動もあり、大変読み応えがあり、面白いです。